ジュエリーに18Kを使用するメリット・デメリット
ハワイアンジュエリーやヒップホップジュエリーは細かいデザインのものが多く、加工しやすい10Kや14Kでつくられるものも多いです。
18Kで細かいデザインのジュエリーをつくるには、高い技術が必要に。
そもそも金の含有率によってどのような違いがあるのか、18Kを使用するメリットやデメリットなどについてご紹介します。
■金という金属の価値
金は、その独自の美しい色合いと輝かしい光沢が魅力の貴金属です。
その美しさは古代から長く認められていて、人々の体を飾る宝飾品としても長い歴史を持っています。
古代において金は権力と密接に結びついていたとも考えられています。
古代エジプトのファラオ・ツタンカーメンのデスマスクが黄金でつくられていたのは広く知られています。
そのほかにも金の装身具や食器など、希少ながらも加工しやすい金属であった金は時の権力者が贅沢に用いるものとして、古くから高い価値を見出されていました。
金が装飾に用いられてきた理由は、その美しさのみではありません。
金属のなかでも特にやわらかく、叩くと薄く伸びて広がる展性に優れている金は加工がしやすい一方丈夫さや強度には欠けるため、道具の材料として使うには不向きな金属でした。
見た目の美しさ、そして道具としては使いにくい特性から、装飾品として活用されるようになったのです。
装飾品に用いる金属として考えると、金は錆びにくいという点でも優れています。
金はほかの金属と比べてかなり錆びにくいため、長い間その美しさや輝きをキープすることができます。
そのため、歴史的価値の高い調度品などにも、金の装飾が施されていることがしばしばあります。
金は一度加工・成形されたものであっても溶かして再利用できるため、多くの金が繰り返しリサイクルされています。
現代においてもジュエリーや金を使った部品のリサイクルがされているのはもちろんのこと、昔から古い金の装飾品を溶かして新たなジュエリーや装飾品がつくられることはしばしばあったようです。
金は資産として常に高い価値を持っていますが、それは金全体の量の少なさにも由来しています。
金は鉱脈から採掘されたり、鉱脈の下流にある川から取れる砂金から採集されたりしますが、金鉱石から採集できる金の量はとても少なく、希少性が高いのです。
1トンの金鉱石から採れる金はたったの5gほどだと聞くだけでも、どれほど貴重な貴金属かがよくわかります。
古くから価値を見出されていた金ですが、これまでに人類が採集した金の総量はおよそ17万トンといわれています。
一方、まだ人の手によって採集されていない、埋蔵されたままの金の量はおよそ7万トンほどなのだそう。
全体量の少なさに、金の持つ価値をより強く実感させられます。
■18Kと18金の意味は同じ?
金のジュエリーの刻印、証明書などを見てみると、18Kの表記のほかにK18、18金など表記にばらつきがあることがあります。
それぞれ金の純度を示すものですが、意味には若干の違いがあります。
金製品には「K18」「K10」などの表記がありますが、これは金の純度を表しています。
純度100%の金はK24、24金などと表記されます。
100%を24分率で表しているため、純度100%の金がK24となるわけです。
K24が純度100%の金、そしてK18は純度75%の金という計算になります。
18K、K18、18金の表記は、どれも75%の純度の金であるという意味では共通しています。
ですがそれ以外の部分に細かい違いがあるのです。
ひとつひとつ詳しくみていきましょう。
・18K
海外で製造されたものであることを示す表記です。
これは日本の造幣局が定めている決まりで、国を問わず、国外で製造された製品において金の純度が75%以上のものは「18K」と表記されます。
・K18
18Kとは反対に、日本国内でつくられた金製品についてはこちらの表記が使われます。
正規品と認められている日本国内で製造された金製品の場合、その純度はK◯◯という表記で表されます。
・18金
これは18K・K18をまとめて呼称するもので、証明書やお店で販売するときに用いられる表記です。
K18も18Kも金の純度が75%という点では共通していると先ほどご説明しましたが、海外でつくられたものか日本国内で製造されたものかを問わず、わかりやすく金の純度のみを紹介したいときに使われる表現です。
■金の含有率の違いによる差とは
金の純度が違うと、金属としての特徴や見た目も異なります。
それぞれの金の純度と、その特徴について簡単にご紹介します。
・K24
金の純度が99.9%の純金を指します。
先ほどは100%とご紹介しましたが、現在の記述では不純物を全て除去することは不可能であるため、K24は限りなく100%に近い99.9%であるとされています。
資産的な価値はもっとも高いですが、金属としてはやわらかすぎて加工するのが難しく、傷つきやすいという特徴があります。
ジュエリーや装飾品としてはあまり使われていません。
ただ一方で、純金だからこそのまばゆい金色の輝きを好む方も。
より純度の低い金と比べるとより濃い金色で、気品の感じられる落ち着いた色味です。
・K22
金の純度が91.7%と、純金ほどではないにしろかなり金の含有量が多い合金です。
ほかの金属が加えられた分K24よりも硬度はありますがそれでもまだやわらかく加工しやすいため、ジュエリーや装飾品としてもよく利用されます。
・K18
金の純度が75%の合金であるK18は、K22よりもさらに丈夫で普段使いもしやすいのが特徴です。
ジュエリーや装飾品としてもぴったりの純度で、金のジュエリーの多くがK18の合金でつくられています。
・K14
金の純度が58.5%、6割ほどが金の合金となります。
ハワイアンジュエリーをはじめとして、海外でつくられるジュエリーではよく使用される、ポピュラーな貴金属のひとつです。
金の含有量が低い分K18よりも値段が安価で、さらに軽量で使いやすいこともあり、注目される素材でもあります。
・K10
金の純度が42%と、全体の半分以下の割合になっている合金です。
金のジュエリーのなかでは比較的お手頃で気軽に購入できる上、丈夫さ・軽量さの点でも金の純度が高いジュエリーよりも優れています。
金のジュエリーの魅力をより身近に、お手軽に楽しんでみたいという方にも好まれています。
金の純度は主に金属としての加工しやすさや丈夫さ、傷つきやすさに影響していますが、ジュエリーの色合いにも違いがあらわれます。
基本的に、金の純度が高い方が濃い金色となります。
純金の持つ艶やかな金色の輝きは古代から愛されてきました。
一方でほかの金属の割合が高くなればなるほど、色合いは淡く、白やシルバーに近いカラーへと変化していきます。
K18は、比較的鮮やかな黄色っぽい金色をしています。
さらに金の純度が下がっていくと、ふんわりとした色合いの薄い黄色、ほとんど白やシルバーに近い淡い黄色へと変化します。
金の純度は、お求めやすさや硬度、丈夫さ、資産価値などにも影響しますが、純粋に見た目にも違いがあらわれます。
資産的価値にだけ注目するのではなく、自分の好きな色合いや見た目に応じて純度を選ぶ、というのもひとつの方法でしょう。
■ジュエリーに18Kを使用するメリット・デメリット
ジュエリーにもよく使われる18Kですが、ほかの純度の金と比べてどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
まずは18Kの金が持っているメリットをみていきましょう。
・耐久性が高い
18Kのジュエリーの魅力は、金の含有量がある程度高い上に硬度もあり、耐久性に優れているところです。
ラグジュアリーなジュエリーでありながら、普段使いもできる丈夫なアクセサリーをつくれるのは大きなメリットといえるでしょう。
より金の純度が低いジュエリーは硬度があり傷つきにくく、より丈夫ではあるのですが、一方で金の含有量の少なさから資産価値は低くなってしまいます。
また金特有の輝かしい金色の色合いも楽しみにくいです。
逆に18Kよりもさらに金の純度が高いものになると、資産価値は高くなりますがやわらかくて傷つきやすく、普段から身につけるジュエリーとしてはあまりおすすめできません。
耐久性の高さと資産価値の高さを両立できるのが18Kというわけです。
・カラーバリエーションが豊富である
純金にはない魅力として、18Kのジュエリーは割金の種類や配合によって色味にさまざまな変化がつけられることが挙げられます。
カラーゴールドと呼ばれるもので、ピンクゴールドやイエローゴールド、ホワイトゴールドといったバリエーションがあります。
あたたかみのある優しい色合いであるピンクゴールド、金よりも落ち着きのある仕上がりのイエローゴールド、プラチナを思わせる白銀の輝きであるホワイトゴールドなど、純金では表現できない絶妙なカラーリングの表現は18Kならではのもの。
一般的な金色よりもカラーゴールドの方が好みであるという方には、18Kがおすすめです。
・純金よりも軽い
金はほかの金属と比べて密度が高いため、純度が高ければ高いほど同じ大きさでも重くなります。
つまり、それぞれ24Kと18Kでつくられた同じ大きさ・デザインのアクセサリーを比べると18Kのものは比較的軽いということ。
普段から身につけるジュエリーとして、若干といえども軽量であるのは魅力のひとつといえるでしょう。
18Kの魅力は、比較的純度の高い金でありながら、純金の持つウィークポイントをしっかりカバーしている点にあります。
金としての資産価値の高さや金ならではの輝きはキープしながら、普段から身につけられる実用的なジュエリーの素材として使うに足る強度を持っているのは18Kの大きなメリットといえるでしょう。
それでは続いて、18Kの金のデメリットについても紹介します。
・変色しやすい
金は純度が高ければ高いほど錆びたり変色したりしにくくなります。
つまり18Kは、24Kや22Kの金と比べれば変色などしやすいということ。
美しさをキープしたまま使うには日頃のお手入れが重要になるでしょう。
・金属アレルギーが出る恐れ
金以外に使われている金属の種類、そしてその割合によっては、アレルギー反応を引き起こしてしまう可能性があります。
金属アレルギーをお持ちの方は、事前に金以外にはどんな金属がどの程度含まれているのか、しっかりと確認しておきたいところです。
・資産価値が若干低い
あくまで24K、22Kといった高純度の金と比べればですが、ほかの金属の割合が高い分資産価値は若干劣ります。
とはいえジュエリーとして使うのであれば、強度や加工のしやすさなどの面から考えても資産価値と実用性とのバランスは十分取れているといえるでしょう。
またジュエリーとしての価格もより金の純度が高いものと比べて若干ながら安価になっているため、ある程度価値が高く、それでいてお求めやすい価格であるという意味でも魅力的です。
■18Kとほかの純度ならどれがおすすめ?
金の純度による違い、18Kのメリット・デメリットなどをご紹介してきました。
資産的な価値は下がってしまいますが、やはりジュエリーに使う金としては金の純度がある程度低いものがおすすめです。
22Kなど純度の高い金も、純度が高い金に独特の鮮やかで色濃いゴールドが高く評価され、ジュエリーとしての人気を集めつつあります。
ですが金は純度が高ければ高いほどやわらかくて傷つきやすく、細かな加工をするのが難しいとされています。
そのため、細かく美しい装飾・加工を施すのであれば、ある程度純度の低い金が理想的だとされています。
18Kの金も、ジュエリーとして人気が高いものではありますが、より純度の低い金と比べれば加工は難しいとされています。
ただそれでも18Kが人気なのは、実用的な範囲に収まる程度の硬度と丈夫さを持っていながら、たしかに金であると強く感じられる重みや輝きも持ち合わせているから。
小さなアクセサリーに加工されていてもたしかな重みがあるからこそ、ゴールドジュエリーの持つ価値を強く実感できるのです。
資産価値もジュエリーとして普段使いしやすい純度の金としてはもっとも高いです。
その分高価ではありますが、さまざまな意味で魅力的なのが18Kの金。
価値の高さと使いやすさ、双方のバランスがよく、ラグジュアリーながら普段使いのできる気軽さが広く愛されている理由でしょう。
ハワイアンジュエリーをはじめとした海外のジュエリーでは、多くの場合14Kの金が使われています。
特にハワイアンジュエリーの美しい模様を彫るには、硬度が高い14Kの金が適しているといわれます。
細かいデザインが多いハワイアンジュエリー、ヒップホップジュエリーでは、ある程度硬度があり加工しやすい10K、14Kの金での制作が一般的なのです。
ですがLinoブランドでは、卓越した技術を持つ熟練の職人の手によって、18Kでのジュエリー制作を実現しています。
ひとつひとつ手作業で制作されたジュエリーは、細部まで職人の技術の粋が感じられる美しさ。
細かな意匠のデザインも完璧につくりあげられています。
海外で制作されるジュエリーの多くはより低い純度の金が用いられていますが、Linoブランドならではの高純度の金が使われたジュエリーの輝きと重み、そして気品をぜひ体感してください。
■18Kの魅力をハワイアンジュエリーで体感しよう
18Kの金が持つ魅力は、その輝きや見た目の美しさだけでなく、資産としての価値や「金を身につけている」という体験にも及びます。
高い純度の金からつくられたハワイアンジュエリーを身につける重みと喜びを、ぜひ味わってみてください。